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脂肪吸引の合併症や死亡事故の原因

「脂肪吸引は怖い」というイメージを持っている方も多いはず。やはり少数ながらも実際に起こっている合併症や死亡事故からかと思われます。それらの原因と回避法を、こちらのコラムでご覧ください。

死亡事故にもなりかねない? 意外と知らない脂肪吸引の合併症

考えられる事故原因のひとつが、脂肪吸引特有の合併症としても報告のある脂肪塞栓。同じ姿勢を取り続けたことで血管が詰まりやすくなり循環に支障をきたす、エコノミー症候群などとして知られる病態です。飛行機のイメージが強いので、脂肪吸引とは結びつきにくいかもしれませんが、手術でもそれと同じことが起こり得ます。
この病態は、血中に流れ込んだ脂肪成分が肺などに詰まることで呼吸不全など重篤な症状を引き起こすもので、最悪、死に至るケースもあります。脂肪吸引との因果関係については疑問視する医師もいますが、可能性がゼロではない限り、安心のためにも配慮は欠かせないでしょう。そういった意味でも、ベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)のような血管などへの負担が少ない手術方法は、安全性が高いと言えます。また、脂肪吸引の術後に少しでも動いた方が良いことを考えると、入院より日帰りの方が理に適っているのです。自分でできることとしては、十分な水分補給を意識しましょう。

脂肪吸引で臓器損傷や麻酔中毒が起こる背景

脂肪吸引の死亡事故と言うと、カニューレ操作での臓器損傷を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際の事例に見る可能性としては、高齢で腹筋などの組織が弱っているような特殊なケースが考えられます。また、高齢者以外では、腹壁瘢痕ヘルニア(腹壁の傷跡から臓器が脱した状態)や臍ヘルニア(でべそ)などにも要注意です。そのため、当然のことではありますが、術前の診察で皮下の状態をきちんと把握することは必須事項。ただ言い換えれば、そういった判断ができる医師としての経験や一般的な手技さえあれば、本来なら考えにくい事故のはずなのです。
また、不安を持たれる方も多い麻酔について言えば、脂肪吸引に限らず、人工的に呼吸や循環を管理する全身麻酔を行うには、しっかりとした医療体制が必要です。ですので、美容外科に多いクリニックや医院などの診療所では、静脈麻酔や局所麻酔など、できるだけ負担の少ない麻酔を選択する方が良いでしょう。局所麻酔で考えられる麻酔中毒は、麻酔薬の血中濃度が高まった場合に起こりますが、脂肪吸引の局所麻酔は脂肪層へチュメセント液を注入するものです。脂肪と一緒に吸引するので体内にはそれほど残りませんし、残ったものも皮下脂肪内へゆっくり吸収されるため、中毒を起こす可能性はかなり低いと言えます。ただもちろん、予期せぬ急変にも慌てずきちんと対処できるドクターやスタッフの経験値は前提条件です。
こうして原因と可能性を見ると、月並みな言い方になりますが、クリニックやドクター選びがやはり重要であることが分かります。

コラムのポイント

  • 術後のエコノミー症候群を防ぐためには、負担の少ない方法や日帰り手術が望ましい
  • 臓器損傷を防ぐには、ドクターの吸引技術の他、診察能力が必要
  • 急変にも慌てず対処できるだけの経験を持つドクターやスタッフであることが重要